進学通信2018年2・3月号
今月のテーマ
6年後の進路を考える大学進学と子どもの将来
【5】わが子の将来のために中高時代に良い環境を
子どもが大きく成長する中高時代の環境は大切
保護者として、お子さんの大学進学や将来の職業について、どんな希望をお持ちですか?
Yママ
いろいろな面で自立した大人になってほしいと思っています。親は求められればアドバイスはしますが、最終的には自分自身で決められるようになってほしいです。そして、悔いのない選択をしてほしいというのがいちばんの願いですね。
Mママ
親としては、できるだけ偏差値の高い大学に行って、年収の高い職業についてもらいたいというのが本音ですが、息子にはそこまではっきりとは言っていません。
夕食のときなどに、何気なく「この大学やこの職業、業種にはこんなにいいことがあるよ」という情報を伝える程度です。いろいろと親が言ったところで、本人が興味のあることや、やってみたいことを行うのが幸せな人生につながると思うので、そういうものを見つけてほしいです。
Oママ
娘は高2から高3にかけて反抗期に入ってしまったようで、その時期は勉強もほとんどしませんでした。それでも現役で大学に入れたのは、英語だけはできたからだと思っています。英語はもともと好きだったというのありますが、中学時代にとてもいい先生と巡り合ったのと、中1から高1ぐらいまで、学校でみっちりと指導してくださったのが功を奏したのだと思います。
高3の模試でも英語だけは偏差値を落とさず、成績も上位をキープしていました。今、大学2年生になり、留学をめざして一生懸命勉強しています。「高校時代に勉強しなかったのはなんだったの?」というぐらい(笑)。
やる気に火がついたのですね。
Oママ
目標ができたからでしょうね。高校時代にやる気を失っていた理由は今もわかりませんが、明確な目標を見つけられなかったためかもしれません。
なんとなく将来の方向性は定まっていたものの、それと大学受験は結びついていなかったのですね。やはり、目標を見つけたときのパワーというのはすごいんだなと実感しています。高校生のときに目標を見つけられた人はラッキーですね。
高校時代はご心配だったと思います。そのころ、お母様はどんな対応をされていたのですか?
Oママ
反抗期の娘とは真っ向から対立して、すり減っていました。でも、娘の高校の先生に「お母さんはとにかく折れずにがんばってください」と言われ、「これだけは譲れない」ということだけは言い続けました。口のきき方とか、生活の面で気になることですね。勉強のことは言いませんでした。
もちろん気にはなりましたが、「勉強しなさい」と言うのは逆効果だとわかっていましたから。
そのような時期に、私立の学校に通っていたことはどうお考えですか?
Oママ
あの学校に通っていて良かったなと思います。先生方は娘を見捨てずに、いろいろ声をかけてくださっていたようです。受験は残念な結果になるかもしれないと心配もしてくださっていました。
大学に合格したときは、安心し、喜んでいただいたと思います。振り返れば、あの時期は、娘にとって必要だったんだなと思います。娘は今、「あの時はママに対して悪かったと思っているし、感謝もしている」と言います。
お子さんの成長を感じますね。多感な時期を過ごすことになる中学・高校時代。「大学受験も重なるこの時期をいい教育環境で過ごさせたい」という保護者の願いを、中学受験で結実させたいものです。
受験生家庭でも、お子さんの将来とそこにいたる教育環境について、ぜひ考えてみてください。
Oママ
私立女子進学校を卒業した大学2年生のママ。
Sママ
私立男子進学校高校3年生のママ。
Yママ
私立女子進学校高校3年生のママ。
Mママ
私立男子進学校高校3年生と、同じく高校1年生の兄弟のママ。