進学通信2017年4・5月号

今月のテーマ
6年間の学校生活は実り大きなものでしたか?

中学・高校時代は、人格形成面でも学習面でも大きく成長する時期。その大切な時期を過ごすには、どのような教育環境がいいのでしょう。中学受験を経て私学に通う高3生のママ達にお集まりいただき、卒業を間近に控えた今の気持ちをうかがいました。

【2】中学受験で必要なのは保護者の信念と情報収集力

私学ではいいお友達ができるという話をよく聞きますが、その理由はなんなのでしょう?

 

Kママ

やはり、学習のレベルが同じぐらいの子どもが集まっていることと、教育に関する考え方が似た家庭の子どもが多いので、気の合う生徒がたくさんいて、友達もできやすいのではないでしょうか。子どもたちだけではなく、母親同士も仲良くなり、娘の友達と母娘4人で旅行をするようなおつきあいになった方もいます。

 

Sママ

中高の6年間という多感な時代を一緒に過ごした友達は、一生友情が続くのでしょうね。娘がうらやましいです。
 中学受験のとき、合同説明会で今の学校の先生にお話を聞いたことがあります。娘は当時精神年齢が低かったので、何百人も女子がいる環境でやっていけるかなと心配でした。でも先生は、「たくさんいるからこそ、どんなお子さんにも合う子がいて、必ず友達が見つかります」とおっしゃっていました。確かに入学後、娘が「おとなしい子も活発な子もちょっと変わった子もいるけど、みんな友達がいて、ポツンとひとりでいる子はいないよ」と言っていましたね。もちろん、女子同士の心の機微などもあり、辛い経験もしたとは思いますが、彼女なりに少しずつ成長していけたと思います。

 


Yママ

わが家は息子が小5のときに引っ越してきて、学区内の公立中学の評判もわからず、近所に評判の良い私立中学があるという理由で説明会に行き、受験することになりました。当時息子は体が小さく電車通学も不安でしたので、近所ならいいという思いでした。
 勉強をしっかり見てくれる学校ということは聞いていましたが、入学後は、宿題が多く、本人はいつも愚痴をこぼしていましたね。提出物も出さなくなり、成績は下がる一方。それでも学校に行くのは楽しそうで、小学校時代にはいなかったタイプの友達と話せるのがうれしいようでした。
 学校でプレゼンの授業があったとき、先生に上手だとほめられて、「社会人でもなかなか上達しないのに」と、夫がかなり喜んでいました。将来プラスになるとは思いましたが、成績はなかなか上がりませんでした。

 

心配されましたか?

 

Yママ

ええ。不安で先生に相談したところ、「勉強そのものへの興味は強く持っているので、しっかり伸びていきます。こういうお子さんは、実は後に化けることも多いので、今は得意なことを伸ばしてあげる時期です」と言われました。6年間の成長を見てくれるからこそ言えることで、説得力がありました。
 実際に、息子は高2ぐらいから急に成績が伸びてきました。やる気になった理由は私にはわかりません。それまで遅刻ギリギリで学校に行っていたのに、朝早く登校するなど、生活態度も変わり始めました。学校が好きで、友達とも濃い関係を築いていたので、周りの環境につられて自ずと変わっていったのではないかと思います。

 

中高時代は、友達や先生などを含めた環境が大きく影響するのですね。6年前にさかのぼって、中学受験についてはどんな感想をお持ちですか?

 

Sママ

中学受験は、親の情報収集力がものを言うと思います。親がいかにアンテナを張っているかですね。きちんと考えている方は本当によく調べて、教材を試したり、子どもにいろいろな経験をさせたりしています。私はその点、あまりできていなかったなと反省しています。

 

中学受験に対する心構えについてはいかがでしょうか。

 

Sママ

誰かが受験すると聞いて、「じゃあウチも受験させてみよう」というような思いつきではうまくいかないのではないかと思います。極端に言えば、子どもが生まれた時から親はビジョンを持って準備していくぐらいでないと。「わが子にこういう教育を受けさせたい」という一貫したものがあれば、揺らぎません。子どもは敏感なので、親が揺らぐと不安になると思うのです。

 

Kママ

私も当時、受験に対して自分が勉強不足だったことを痛感しています。中学受験は「がんばればなんとかなる」と思っていましたが、そうではありませんでした。娘は算数が苦手で、努力だけでは克服できなかったんですね。得意科目で補うにも限界があることがわかりました。模試などのデータを活用することで、もっと効率よく受験対策ができたのに……とも思います。

 

保護者の教育方針によって、その後のお子さんの教育環境はガラリと変わってきます。お子さんが小さいうちからご家族で話し合い、学校や受験に対する考えを明確にしておくことが大切なのですね。

Sママ

私立女子進学校の高校3年生と都立高校1年生男子のママ。パート勤務。
「気の合う友達がたくさんできて学校生活を楽しめたことで、入学してよかったと確信しました。」

Nママ

私立共学進学校の高校3年生女子と公立中学2年生男子のママ。専業主婦。
「1年間の留学を実現できたことが、娘にとって中高時代の一番大きな収穫だったと思います。」

Kママ

私立女子進学校の高校3年生のママ。自営業。
「部活動で成長できたことや進路教育で将来の目標ができたことなど、得るものは多かったです。」

Yママ

私立共学進学校の高校3年生男子と同校中学2年生女子のママ。契約社員。
「成績が下がり一時は心配しましたが、周囲の環境につられたのか自ずと勉強するようになりました。」